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【獣医師コラム】予防方法はいろいろ!事前に防ぐフィラリア症(長谷川諒 獣医師)

【獣医師コラム】予防方法はいろいろ!事前に防ぐフィラリア症(長谷川諒 獣医師)
【獣医師コラム】予防方法はいろいろ!事前に防ぐフィラリア症(長谷川諒 獣医師)

フィラリア症とは?

フィラリア症とはフィラリアと呼ばれる内部寄生虫が心臓や肺に向かう血管に寄生することで起こる病気です。
感染初期は症状が出ることが少なく、咳や元気消失、腹水貯留、血尿、最悪の場合ではショック死などの重度の症状が出てから感染に気がつくことが多いです。

フィラリアってどんな虫?


見た目は糸のような細長い線状の寄生虫で、犬糸状虫と呼ばれることもあります。
犬に寄生したフィラリアは成虫になるとメスは約28 cm、オスは約17 cmにもなり、これほど大きな寄生虫が心臓に寄生するので、心臓や心臓周囲の血管が大きなダメージを受け重度の循環不全に陥ることがあります。

フィラリアの一生と感染経路

フィラリア症に罹患している犬が蚊に吸血されると、犬の血液と一緒にミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)が蚊の体内に入り込みます。
ミクロフィラリアは蚊の体内で2回脱皮をし、成長した子虫はその蚊が他の犬を吸血することで感染。そうして感染したフィラリアは犬の体内に入り、血流に乗って心臓を目指します。
心臓に到達するまでにも成長を続け、筋肉や脂肪、皮膚の下の辺りなど様々な部位に寄生しながら、約6ヶ月で成虫なり最終寄生部位である心臓や肺動脈へ移り住みます。
動物病院で行う検査は、この成虫がいるかどうかの検査なので、生後半年以降の動物では感染の有無の確認が重要です。

フィラリアの成虫の寿命は6年前後と比較的長いと言われており、その間も心臓や肺にダメージを与え続けるので全身の血流や酸素の循環に重大な影響を与えることになります。
フィラリアにはオスとメスがあり、交尾をして多数のミクロフィラリアという子虫を産み、ミクロフィラリアは産まれてから約7~8ヶ月で犬の細い血管に出現し、体中を巡り蚊に吸血されるタイミングを窺っています。またミクロフィラリアは当然ながら、肉眼で見ることは出来ませんので飼い主様が感染に気づくことは難しいです。

犬のフィラリア症の治療法

都心部では予防率が高いこともありほとんど見ない病気ですが
年間を通して暖かい九州や沖縄ではまだまだ油断出来ない感染症です。
残念ながら、安全で確実な治療法はありません。だからこそ予防がとても大切になってくるのです。

【駆虫薬】
一般の寄生虫と同じように、駆除薬を投与し寄生虫を殺滅する方法があります。
駆除薬によって死んだ30センチ前後の虫の死体は一体どうなってしまうのでしょうか?もしそのフィラリアの死体が心臓や肺の血管に詰まると死に直結してしまうことがあるので、投与には慎重が要されます。かつては治療の選択肢の一つではありましたが、その危険性から現在では別の方法を選ぶ場合が多いです。
【手術】
外科的手術で直接フィラリアを取り除くという方法もあります。外科手術と言っても、お腹や胸にメスを入れる訳ではなく首の太い血管から細長い管を挿入して、心臓に寄生したフィラリアを釣り出します。
しかし、この方法は全身麻酔が必要であり、虫が多数寄生している場合は、心臓の血流の変化が短時間のうちに起こるので非常にリスクが高いです。
 【虫の寿命を待つ】
成虫が寿命で死滅するのを待つという方法で、症状が軽い場合はこの方法が第一選択になることが多いです。予防薬や抗生剤等を一定期間使用することで、寿命を縮めることも出来ます。良くも悪くもゆっくりとした治療経過なので、大きな虫が心臓に寄生しているといつまで経っても咳などの症状が治らないこともあります。
また、成虫が寿命でいなくなったとしても寄生されていた影響で循環不全が残り、強心剤・利尿剤・降圧剤などを一生涯投与しなければ生活に支障がでるケースもあります。

最後に

フィラリア症は命にも関わる恐ろしい病気ですが、予防薬によって防ぐことができます。
さらに一般に処方されているフィラリア予防薬は安全性の高いものが多く、ワクチンよりも重篤な副作用の報告は稀です。
予防薬もおやつタイプやスポットタイプ、1年に1回注射するタイプなどご家族の方々にも負担が少ない製品が数多あります。また、最近では猫にも感染することがわかっており、猫の飼い主様にとっても他人事ではありません。
狂犬病ワクチンや混合ワクチン、ノミ・ダニの予防と同じように、フィラリア予防はご家族の責任であると言えるでしょう。

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こんにちは、獣医師の長谷川 諒です。
1次・2次診療、往診医療に従事しつつ、教育・研究にも携わっています。
昨今誰でも簡単に情報を発信できる一方で、誤った情報が蔓延するなどといった弊害を生む社会になりつつあります。
そこで私たち獣医師による専門家が“正しい”情報を、“責任”を持って広く飼い主様に提供することを信条としております。

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獣医師 長谷川 諒/Hasegawa Ryo

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