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【獣医師コラム】こまめな歯磨きで予防!歯周病(長谷川諒 獣医師)

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【獣医師コラム】こまめな歯磨きで予防!歯周病(長谷川諒 獣医師)

油断は禁物×歯周病


歯周病は主に細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患です。
歯間や歯と歯肉の境目に歯垢が溜まってくると、そこで多くの細菌が繁殖し、停滞し、歯肉が「炎症」を起こし赤くなったり、腫れたりします。
歯垢は放置すると3日程度で歯石となり、歯周病を悪化させる大きな要因となるので、定期的な口腔ケアが必要になってきます。

こんな子は注意して!

特に小型犬で‟乳歯が残っている“、‟歯並びが悪い子“は、若齢でも歯周病が進行することもあるので要注意です。
ヒトとは異なり歯石の付着によって虫歯にはほとんどなりませんが、進行してくると歯を支えることができず歯が動くようになり、最終的に全身麻酔で歯石除去・抜歯をしなければならないこともあります。

‟たかだか口の中だけの問題?!その細菌が心臓や腎臓にまで波及してしまい内臓疾患の原因となることもあるので意外と怖い病気です。”

歯周病チェックポイント

チェック1  歯と歯茎の境目のラインに沿って歯茎が赤くなっている
歯石の量が少なくても炎症が認められる場合があります。炎症を起こしている部位はいわゆる歯周ポケットになっていて、今後、歯石が着きやすくなり炎症が進行する可能性が高いので要チェックです。
チェック2  歯茎全体が腫れていて、出血する
中程度に進行している状態です。ご飯を食べるスピードが遅くなる、食べる際にくちゃくちゃするといった症状が出てくることもあります。
チェック3  歯が伸びているように見える、歯茎が後退している
この段階ではグラグラと不安定な歯もあると思います。他にも「クシャミが増える」、「目の下が腫れる」、「目ヤニは増える」といった症状が認められることもあります。
この状態を放置しておくと、歯周病菌が歯の根に沿ってどんどん広がっていき、下顎の骨折や、目の下の皮膚に穴が開くような状況まで進行する場合もあります。急ぎ、治療を開始してあげてください。

原因は?!

歯周病の原因は‟歯周病菌が過剰に繁殖“していく状況にあります。
この歯周病菌が文字通り、歯周病をどんどん悪化させ、さらに歯石が着きやすい状況になります。

歯周病菌は酸素が少ないところが好き
歯周病菌は酸素が少ないところ好む傾向があり、歯の根に沿って、奥に進み増殖することが多いです。

また、歯石自体が歯周病を起こすのではなく、歯周病菌の住処になる歯の隙間や歯周ポケットを歯石が覆ってしまうことで、歯周病菌が増えやすい環境になることが原因となります。
つまり、せっかく全身麻酔で歯石除去だけを行っても歯周病が治ったことにはなりません。歯石除去後の継続したお口のケアこそが最も重要になってきます。

お口のケア方法

2日1回歯ブラシを!
ここでのポイントは無理にしつこく頑張り過ぎないことです。特に歯磨きに慣れていない子、炎症が強い状態では注意が必要です。

もともと、動物は武器でもある歯を触られることにデリケートです。また、炎症のある状態の歯茎への刺激はとても敏感になります。そこを無理に行って一度、嫌な思いをしてしまうと、トラウマとなりますますケアが出来なくなります。単回でケアを行ってもほとんど意味がないので、その子の性格や反応を見てしつけやトレーニングを行いながら、無理なく継続して行えるように取り組んでください。

歯ブラシデビュー


方法としていきなり歯ブラシを使用すると嫌がることが多いので、ガーゼや専用のシートを使用する、あるいは何も使用せず指を口の中に入れる練習から始めてみても良いかと思います。また、感覚として歯を磨くと言うよりは歯と歯茎の境目を優しくマッサージするイメージでケアを行ってください。
歯の黄ばみを気にして力強くブラッシングを行ったり、金具で歯をガリガリと擦る方がいますが、これは逆効果です。
ヒトに比べて動物は歯のエナメル質(ツルツル成分)は薄いため、このエナメル質に傷が着くと歯垢・歯石がより付着しやすくなってしまいます。

サプリメントも効果的

ヒトの歯科では口腔内ケアとして乳酸菌製剤がクローズアップされていますが、動物でも同様で口腔内用のサプリメントとして乳酸菌入りの物が増えています。
実際にその効果も認められていることから、日々の口腔内ケアに乳酸菌という選択肢も近年ではメジャーになってきました。
口に触ることを嫌がって定期的なケアが難しい場合は、乳酸菌製剤から始めるのも1つの手だと思います。いずれにしても、まずは無理なく、楽しく取り組むことが大切です。

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こんにちは、獣医師の長谷川 諒です。
1次・2次診療、往診医療に従事しつつ、教育・研究にも携わっています。
昨今誰でも簡単に情報を発信できる一方で、誤った情報が蔓延するなどといった弊害を生む社会になりつつあります。
そこで私たち獣医師による専門家が“正しい”情報を、“責任”を持って広く飼い主様に提供することを信条としております。

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獣医師 長谷川 諒/Hasegawa Ryo

U R L:https://www.ani-vet.com
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