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【獣医師コラム】去勢手術で得られるメリット(長谷川諒 獣医師)

去勢手術の必要性

去勢手術とは?
男の子の生殖器である精巣(睾丸)を切除する手術を去勢手術と言います。
手術をすることで子供を作ることはできなくなりますが、一般的に繁殖をする予定がないのであれば、手術をする方が生殖器に関係する病気やマーキング行動の予防など、メリットは多いです。

生殖器に関係する病気

症状が出てからの治療はハイリスク 「精巣腫瘍」
精巣にできる腫瘍であり、ホルモンの影響で‟貧血“や‟脱毛“といった症状が発生することがあります。また、皮膚に症状が出てくることもあるので皮膚疾患と勘違いされるケースもあり注意が必要です。貧血などの症状が出てからの外科手術は、麻酔のリスクが高くなるので早期発見、早期治療が大切になってきます。潜在精巣(陰睾)の場合は、格段に発生率が上がると言われているので陰嚢内に精巣が降りてきていない場合は積極的な手術が望まれます。

他の病気を併発の危険 「前立腺肥大」
男性ホルモンの影響で前立腺が過剰に大きくなる状態です。
大きくなることで腸管を圧迫し便が出つらい、便が細くなるなどの症状が出ることもあれば、膀胱炎、前立腺炎に繋がることもあります。
肥大しているかどうかは超音波検査で診断が可能なので、こういった症状を繰り返すようであれば検査の必要があります。飲み薬での治療法もありますが、再発する可能性もあるので基本的には去勢手術を行うことで治まります。

完治には手術が必要 「会陰ヘルニア」
男性ホルモンの影響でお尻周りや尾の付け根にある左右の筋肉が薄くなり穴が開いてしまい、そこから直腸や膀胱が出てくることにより排便・排尿障害が起こる病気です。
完治には手術が必要になりますが、再発することもあるので手術後も注意が必要です。

良性のしこりでも危険 「肛門周囲腺種」
男性ホルモンの影響で肛門の周囲にある分泌腺が腫瘍化し発生する腫瘍する病気です。
肛門周囲や尾の付け根にシコリが出来て、大きくなっていきます。
悪性の場合はもちろん、良性の場合でも大きくなると排便の際に汚れる、痛みがでることがあり、シコリが大きくなると、表面がざくろのように破裂し、出血、化膿することもあります。
そうなってしまうと便や尿で患部が汚染されるので、管理が非常に大変になります。
治療は手術により、腫瘍全体を取り除く方法があります。

去勢手術のメリット

動物病院で働いていると、女の子の避妊手術の重要性(乳ガン、子宮の病気の予防)については、知識のある方が多い印象です。しかしながら、男の子の去勢手術のメリットはまだまだ認知されていないように感じます。
また、「老犬だから、高齢だから」といった理由で、避妊、去勢手術を避ける方が少なくありません。
麻酔のリスクは年齢には関係なく、心臓、肝臓、腎臓の機能状態が重要になります。
麻酔の安全性は、以前と比べて格段に高くなり、手術中のモニタリング(呼吸の状態、血液中の酸素濃度、血圧、心電図等)で、体の異常を早く知ることが出来るようになりました。ですので、設備がしっかりそろっていれば、先手で対応が取れると言えます。

最後に

今日ではインターネットの普及により、様々な情報が手に入るようになりました。
正しい情報だけでなく、間違った情報も溢れています。正しい情報を啓蒙していくことは、我々獣医師や専門家の責任と感じています。
里親になって頂いた方々には、目の前の新しい家族の健康状態を正しく把握して頂きたいです。また、かかりつけの動物病院と信頼関係を築き、ヒトの動物の充溢した共生生活を送って頂くことを切に願います。

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こんにちは、獣医師の長谷川 諒です。
1次・2次診療、往診医療に従事しつつ、教育・研究にも携わっています。
昨今誰でも簡単に情報を発信できる一方で、誤った情報が蔓延するなどといった弊害を生む社会になりつつあります。
そこで私たち獣医師による専門家が“正しい”情報を、“責任”を持って広く飼い主様に提供することを信条としております。

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獣医師 長谷川 諒/Hasegawa Ryo

U R L:https://www.ani-vet.com
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