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【獣医師コラム】避妊をすることでの防げる病気はこんなにあります!(長谷川諒 獣医師)

避妊手術の重要性

避妊手術とは?
女の子の生殖器である卵巣および子宮を切除する手術を避妊手術と言います。
一般的に繁殖をする予定がないのであれば手術をする方が生殖器に関係する病気の予防になりメリットは多いです。

生殖器に関係する病気

【乳腺腫瘍】
乳腺にできる腫瘍で犬の場合、約半分は悪性と言われています。
初期発情前に避妊手術した場合の発生率は0.05%と極端に低くなりますが、その後1回発情後は10%弱、2回目以降は25%前後というように発情がおこる回数が多いほど発生率は上がってきます。
こういった背景から残念ながらブリーダーさまからの譲渡犬は、本疾患になる可能性が高いです。
しかし、数回発情、出産した犬でも、発情を繰り返すほど乳腺腫瘍の発生率はあがるので、里親さんに引き取られたあとも避妊手術は必要です。
また、治療法は主に手術での摘出です。犬の乳腺は左右とも縦一列に繋がっているので、腫瘍の状態によっては再発防止のために片側の乳腺を全て摘出することもあります。

【子宮蓄膿症】

出産経験のない高齢動物で発症すると言われることが多い病気ですが、出産経験をしている動物でも発生します。子宮蓄膿症は細菌による感染症で、子宮内に進入した細菌が増殖し、やがて膿が溜まります。
特に発情期は、異物(精子)を受け入れて子宮内で胎児を育てる環境が整う時期である一方、細菌にとっても増殖しやすい環境となってしまいます。

2つのパターン”開放型”と”閉鎖型”
開放型は膣からの膿や出血が確認でき体外に排出されているので急変することは比較的少ないです。
しかし、閉鎖型では細菌・膿が子宮内で急激に溜まり、その急性の炎症から腎臓や肝臓など全身に悪影響を与えます。また、膿が充満している子宮が破裂することもあり、いずれも緊急性が極めて高いです。治療は外科手術を選択することが多いですが、すでに体調が悪い状況ですので麻酔のリスクは上がってしまいます。

早期対策で100%予防
幸いにもこの病気は避妊手術をすることで100%予防できるので、繁殖させる予定がないのであれば早期に避妊手術を行ってあげてください。
一方、内科治療では抗生剤を使用するのですが、近年抗生剤が効かない薬剤耐性菌(AMR)が増加してきている背景もあり緊急度が高い場合はやはり外科手術を行います。

子宮の疾患はその他にも子宮水腫・子宮内膜炎などがあり、どの疾患も初期症状は元気がない、食欲の低下など一般的な症状から始まることが多いです。こういった症状の時に避妊手術をしている子であればそれだけで鑑別診断から子宮の病気を外すことができるので、診断・治療を効率よく進めることが出来ます。

最後に
手術をすることで乳腺腫瘍の発生率を下げ、子宮蓄膿症に関しては確実に予防することができるのという大きなメリットがあります。
「老犬だから、高齢だから」といった理由で、避妊、去勢手術を避ける方が少なくありません。麻酔のリスクは年齢には関係なく、心臓、肝臓、腎臓の機能状態が重要になります。
麻酔の安全性は、以前と比べて格段に高くなり、手術中のモニタリング(呼吸の状態、血液中の酸素濃度、血圧、心電図等)で、体の異常を早く知ることが出来るようになりました。ですので、設備がしっかりそろっていれば、先手で対応が取れると言えます。

今日ではインターネットの普及により、様々な情報が手に入るようになりました。正しい情報だけでなく、間違った情報も溢れています。

正しい情報を啓蒙していくことは、我々獣医師や専門家の責任と感じています。
里親になって頂いた方々には、目の前の新しい家族の健康状態を正しく把握して頂きたいです。
また、かかりつけの動物病院と信頼関係を築き、ヒトの動物の充溢した共生生活を送って頂くことを切に願います。

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こんにちは、獣医師の長谷川 諒です。
1次・2次診療、往診医療に従事しつつ、教育・研究にも携わっています。
昨今誰でも簡単に情報を発信できる一方で、誤った情報が蔓延するなどといった弊害を生む社会になりつつあります。
そこで私たち獣医師による専門家が“正しい”情報を、“責任”を持って広く飼い主様に提供することを信条としております。

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獣医師 長谷川 諒/Hasegawa Ryo

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