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【獣医師コラム】痛い!といえない犬・猫のために、日頃から様子をみて欲しい関節炎(長谷川諒 獣医師)

関節炎とは?

犬や猫の品種別の整形疾患として小型犬では圧倒的に膝蓋骨脱臼が多く、トイプードル、チワワ、豆柴などの小型化が進んでいる犬種には特に多く認められる疾患です。
一方で猫ではスコティッシュフォールドの骨軟骨異形成などの遺伝性疾患は非常に多く見られます。
こういった犬や猫の『品種』に多い疾患の情報はネットに溢れていますが、予防こそが重要であるということを指摘した内容は少ない印象です。
特に関節炎は品種による違いはあまりなく、関節炎になっているワンちゃんのうち約6割は8歳以上と言われるように年齢が影響しています。獣医療の発展により寿命がさらに延びてくると今後、脚の痛みに悩まされるワンちゃんも増えてくるでしょう。

犬は痛みに強いと思われていませんか?

関節炎は徐々に進行するので、関節炎の兆候を単なる老化現象と考えてしまう方も少なくありません。

【こんな症状があったら注意!】
・立ち上がる時に時間がかかる
・左右の筋肉量が異なる
・足を引きずるあるいは挙げたまま
・散歩や運動を嫌がる
・足を触られるのを嫌がる
・お尻をフリフリしながら歩く
・頭を下げて歩く
・散歩中に疲れてすぐに座り込む

動物は「痛い!」と言うことができず、わかりやすいSOSは出しません。さらに、関節炎でやっかいなことは犬も猫も器用であることです。
人は2本足に体重の100%がかかるので、どちらかの足が痛い場合は相当我慢しない限り、歩き方がおかしくなるかと思います。一方で犬、猫の場合は4本足です。特に犬の場合は、歩行時に体重の約7割が前足に、残る3割を後足にかけて支えていると言われています。
そこに痛みや違和感が起こると、器用にその負荷を分散させることによりスムーズに歩いたり、走ったりすることができるのでご家族の方は、関節炎の兆候に全く気付かないことも多いです。
もしかしたら、そこまでしてでもワンちゃん達は歩きたいのかもしれませんね・・・
そう考えると、動物達にとって運動が出来るということは人が想像している以上に生活の質に影響を与えるのではないかと思ってしまいます。

関節炎予防のポイント!

予防のポイントは足にかかる負荷を軽減することです。体重が負荷の原因であればダイエットが中心になってきます。
運動量を増やして、無理にダイエットに挑戦する飼い主さんがいますが、それは要注意です。人での場合を想像してみると、体重オーバーの状態で無理に運動させると、当然さらに関節を痛めてしまいますよ。そのため、過度な運動の前に、まずは適切な理想体重を設定し、食事管理から開始してください。
また、関節のサプリやダイエット用の補助食品の併用もお勧めです。

生活環境においても予防ポイントがあります。
フローリングなどの足が滑る床は支える際の負担が大きいです。フローリングの場合絨毯やカーペットを敷くなどの対策をしてあげることをオススメしています。
また、定期的な爪切りや足裏のケアを行うことで、滑り防止になることも忘れないでください。

関節炎の治療

年齢による関節炎は一度発症してしまうと、完治することはほとんどなく上手につきあっていくしかない病気です。
治療はお薬で痛みや炎症を抑えることが主体になります。
痛みがあるままでは少しの運動も辛いですが、痛みを軽減してあげることで適切な運動を行うことができます。適度に関節を動かし、筋肉を使う運動は体重をコントロールするためや、関節をこわばらせないためにも非常に大切になってきます。
ここで1つ注意しなければならないのはお薬を飲んでも関節炎が治ったわけではないので、激しい運動は逆効果になります。治療も継続する必要があるので経過とともに獣医師に相談して下さい。

最後に

老犬の生活が楽しいものに、また一緒に生活する人が幸せに過ごすために、今日出来ることから行ってあげてください。ワンちゃんは人の約4倍早く年を取ると言われています。つまり、人の1週間がワンちゃんにとっては1ヶ月です。
動物の声無きSOSに気づき、早急に対処してあげることは飼い主様と我々獣医師の責任だと考えます。

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こんにちは、獣医師の長谷川 諒です。
1次・2次診療、往診医療に従事しつつ、教育・研究にも携わっています。
昨今誰でも簡単に情報を発信できる一方で、誤った情報が蔓延するなどといった弊害を生む社会になりつつあります。
そこで私たち獣医師による専門家が“正しい”情報を、“責任”を持って広く飼い主様に提供することを信条としております。

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獣医師 長谷川 諒/Hasegawa Ryo

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